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横須賀基地の裏番長 フィリピーノ・マフィア

横須賀基地で働く日本人にとって残された道は、彼らとの共存しかないのか・・・

それでもやはり、フィリピンに生まれてよかったと思える理由

昔働いていた場所で、フィリピン人女性従業員が具合が悪いのか、青ざめているのを何度か見ました。
もう50歳を越えていた彼女にとって、彼女の仕事は体力的にきついものでした。そうやって身体に鞭を打って稼いだお金の多くをフィリピンに暮らす子供達(二人とも30代)に送っていたRさん。

「ほら、こうやるとね、$30.00分すぐにチャージしてあげられるの」

そう言いながら私に携帯電話の画面を見せてくれたことがあります。その画面を見ると、フィリピンに暮らす息子達が自分に国際電話ができるように、Rさんが通話料をチャージしていたのです。
国際電話と言っても「●●(電化製品など)を送ってくれないかな」というおねだりの電話ばかり。金も送らせてさらにそんな高額なものまで送れっていうの?年老いた母を頼る息子達からの催促の電話のためににチャージをしてあげる必要なんてない。おまえら自分で働いてチャージしろよ!と呆れたのを覚えています。

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(Rさんが作ってくれた美味しいひき肉と野菜の炒め物。それだけで食べようとしていたら「あなたは基本的に何でもおつまみのように食べるけど、これはご飯にかけて食べるの!!!」と言われました。味付けは醤油、にんにく、オリーブオイル、塩、胡椒+使われている野菜の香味。ご飯がすすむよ~~。)

Rさんはご主人の稼ぎがいいので本当は働く必要などありませんでした。ただ自分の息子達への送金だけはご主人にさせたくなかったのでしょう。だから彼女は働かざるを得なかった。
そんな彼女の心の支えは、やはり同じように出稼ぎに来ているフィリピン人の同僚達との世間話だったりするのかなぁと思いましたが、それは心の支えの一部でしかなかったようです。

ある日備品を探していて、チェストの引き出しを開けたところ一枚の紙が入っていて、聖書からの一文が書かれていました。Rさんの字でした。

「ねえ、この間引き出しの中に聖書からの引用が書いてある紙があったんだけど、あれはもしかするとRさんが好きな部分?」
「うん、そうなの。あれだけじゃなくて、聖書を読んでいていいなぁと思ったら書き出すの。そして時々見たりするの」

苦しくてどうしようもなくなった時にその紙を取り出して読むRさんの姿を見ると、胸が痛みました。そしてフィリピンに生まれなくてよかった、と思ってしまうのです。だけどRさん達は神のご加護を信じているから、どんなに苦しくてもフィリピンに生まれてよかったと思うことができる。神様こそが、Rさんそして多くのフィリピン人を支えているものなのでしょう。彼女達にとって神様は絶対です。

 
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フィリピン人の悲哀が冷静な視点から書かれています。淡々と綴られているからこそ、悲哀が色濃く滲み出ていて翻訳も素晴らしいです

横浜コトブキ・フィリピーノ

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