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横須賀基地の裏番長 フィリピーノ・マフィア

横須賀基地で働く日本人にとって残された道は、彼らとの共存しかないのか・・・

国籍を問わず、多くの人に愛された・認められたフィリピン人従業員

ベースで働いていた頃、フィリピン人従業員達に対しては様々な思いがありましたが、その中に私が大好きだった従業員が三人います。その三人について書きます。

「面白いおばさん。それでいい」

強烈なキャラのフィリピン人のおばちゃんと仕事をしたことがあります。私の人生の中で彼女を超える強烈な人はいまだに現れていません。長年王座についているその女性をアンドレアさんとしましょう。
私は彼女の接客を同僚として脇から見ていて、大好きだったのです。できることならば同僚として知り合わず、客として彼女と出会いたかったです。
横須賀基地に出入りする年配のフィリピン人女性達の中には、"女の秋"の真っ只中、あるいは晩秋を迎えていても真夏気分の人がかなりいます。
染髪(金髪に近い茶髪)xフューシャピンクの服(戦闘モードの年増のフィリピン人はなぜかこの色をトップスに持ってくる人が多い。なぜフューシャ?)x厚いメイクで、40代後半、50代になってもまだまだ攻める気満々のおばさん達。若作りというのとはまた違います。なぜならそれは、年老いているという自覚がないからこそできる格好だからです。

50代のアンドレアさんはそういうタイプではありませんでした。フィリピン人にしては珍しく"女"を押し出さない、「こんな面白いおばさんもいるんだ、と思ってもらえればそれでいい」という人でした。そしてもう一つ特徴がありました。それは安定したキレキャラという一面です。
キレどころがわからないから周囲も最初は振り回されました。だけどキレている時が面白いので、多少気分屋でも「まあアンドレアさんだからしょうがないか」となってしまうのです。もう特権階級ですよ。キレている時に彼女が吐いたひとことを「Tシャツのロゴにしたいよね」、と言っていたアメリカ人従業員もいるくらい面白かった(笑)。

ジェネレーションギャップなど気にせずとにかく褒める。まるで自覚のないすべり芸人のよう。

アンドレアさんの接客を見ていて面白かったのは、彼女がジェネレーションギャップをまったく気にしないところです。

例えばお客さんがイケメンの若い黒人の男の子だったとしましょう。するとアンドレアさんはこういうのです。

"You look like Eddie Murphy!!!"

二十代前半の男の子にエディ・マーフィーはなかろう・・・そもそもエディーはイケメン枠なの?同じ中年でもせめてデンゼル・ワシントンとかさぁ・・・と思いつつお客さんの顔を見ると、やっぱり苦笑いしてる(爆)。Laz Alonzoあたり言おうよ!
これは日本人にもわかりやすく書くと、例えばあなたが二十代前半のイケメンだとしましょう。フィリピン旅行に行って、ふらっと立ち寄ったお店の従業員さんに「中条きよしに似てますね!」って言われたら、どんなにきよしが男前であろうと複雑な気持ちになりませんか?
だけどアンドレアさんはそこらへんはまったく気にしないのです。滑っても構わないというか、滑っても全然気が付かないからそのまま暴走します。

How to make a fool of yourself with a banana skin - Day 228 of Project 365

ちなみにアンドレアおばちゃんは若い白人のイケメンに対しては"You look like Tom Cruise!"を使うことが多かったですね。Bladley Cooperあたり言っとけ(笑)!!!まあトムならいいか。

日本人従業員、アメリカ人従業員に頼りにされるトライリンガルのフィリピン人男性、ロベルト

横須賀基地は日本人よりもフィリピン人が幅を利かせていてその存在が疎まれていますが、ロベルトみたいな従業員は例外だし、もう別格でした。日本人の就業の権利がフィリピン人に奪われている、と言えないケース。あそこまでキレ者で仕事もできると、誰も文句言えませんよ。
日本語も英語も堪能で、地頭がいいせいか常に冷静沈着。何かトラブルがあった時にお客に対しても、あるいは幹部に対してもすぐに対応できて、日・米・比のスタッフ達に的確な指示や提案が出せたスタッフでした。スーパーバイザーのポジションが空いた時、彼を含めて内部から四人が応募したのですが(この場合出来レースだから、外部からは応募するだけ無駄)、もちろんロベルトに決まりました。
選ばれなかった三人とは、普通ならば気まずくなりますが、この三人もライバルがロベルトとわかってダメもとで応募していたため、気まずくなることはない、そんな存在がロベルトでした。
彼と話していると、やっぱり言語ってセンスなのかなぁ。地頭が悪い人はあきらめるべきなのかなぁ~などと思いましたね。
だけど実はすごく怖い人らしいのです。ロベルトと飲みに行って周りがうるさくても、10分くらいするとそのうるさい集団がいなくなってしまうのです。これは私の想像ですが、店員(フィリピン人)にロベルトがひとこと「あいつらうるせーよ」ということで、店員はロベルトが怖いからその客を追い出してしまうのでしょう。横須賀のフィリピン人社会の中では結構有名なんじゃないかなぁと思うことが、よくありました。
なぜロベルトがそんなに怖い人だとわかるのかって?なぜならかつて日本人男性従業員達がロベルトについて口をそろえてこう言っていたのです。
「あいつさ、相当悪いことやってきたと思うぞ。面構えが危ないもん。絶対ただのいいやつじゃないぞ」

私は人を見る目がないのかなぁ・・・。


国籍を問わず愛された、もう一人のフィリピン人従業員(♀)についてはまた他の機会に書きたいと思います。

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